人生30過ぎてからでしょう。

好きな本、映画、日々考えていること、気の向くままに書きます。

『乳と卵』 川上未映子

川上未映子、恐ろしい女である。 セカイとワタシの違和感を、自分だけの言葉で、カタチにした文句のつけようがない傑作である。 ネタバレあり。 この小説は、女が書いた女の小説である。 男である僕は、巻子とわたしの銭湯のシーンとか、わたしの生理の描写…

『女の子クラブ』

今週は新宿二丁目にある『女の子クラブ』に潜入してきました。 こんなふうに如何わしい催しやお店の潜入を続けていれば、潜入キャラが定着して、潜入捜査官と呼ばれ始めて、いつか西島秀俊さんとか伊藤英明さんみたいな素敵なバディができればいいなと思って…

『あのこのあしうら写真展』

東京、東日本橋で開催された『あのこのあしうら写真展』なるものを観てきた。 東京に来て約4ヶ月、何ひとついいことなんてなかったけど、あのこのあしうらだけを集めた写真展を拝むことができる日がくるなんて、東京マジ半端ない、である。 「やばい星野源マ…

嘘みたいな一日

いつか人生のどこかで エレベーターに閉じ込められたり 雪山で遭難したり いけないことをして独房に入れられたり そんなじっと一人で寂しさを耐えなきゃいけないときのために 思い出すたびにムフフとなる 嘘みたいな一日というのが僕にはあって それは僕がNY…

女の子になれない理由

ずっと女の子になりたいって思ってたけど、本当に女の子になれた暁には、実際に何をしたいかって考えると、例えば、アーバンリサーチの服とか、MHLの服とか着て、表参道を歩くとか、麻の部屋着で、髪の毛お団子頭にして、クウネルとか読みながら、日本酒に合…

『アリーキャット』 榊英雄

普段エンタメ系の映画はあまり観ないんですが、マジ最高でした。 この映画の何が素晴らしいかなんて、そんなもん窪塚洋介さんが素晴らしいのです。 僕はすっぽりDragon Ash世代なので、降谷さんの格好良さは重々承知の助ですが、窪塚さんの隣に立たされたら…

すきになりたいひと

とっても素敵な人なのに、今はもう恋人じゃないからとか、もう私以外の別の人を好きになってるからとか、さらには子どもができて家庭があるからだとか、そんなことで、私の出会った素敵な人のことを語れないなんて、なんて悲しいことなんだ。 めちゃくちゃに…

『大空で抱きしめて』 宇多田ヒカル

今にいるけど、明日とか、夢を叶えた自分とか、そんなことばかり考えてしまう。 今にいるけど、昨日とか、いちばん好きだったあの人のこととか、そんなことばっかり考えてしまう。 たぶん、これまでの今も、これからの今も、別の時間のことばっかり考え生き…

僕の言葉

ツイッターでつぶやいたり、好きなテレビ番組を観たり、嫌いな上司に怒られたり、昼間から酒を飲んだりしながら、時間は公正に流れて行くんだけれども、僕はここがどこで、いったい何をやっているのかわからないのだ。 目の前に現れた人間に対して必要な会話…

『虹色バス』 宇多田ヒカル

三度の飯より宇多田ヒカルちゃんが好きなんだけれども、『虹色バス』という曲は、盆と正月と誕生日がいっぺんに来たような曲である。 『WILD LIFE』というライブで彼女はこの曲を最後の曲にセッティングしていて、そのライブ後に活動を休止した彼女にとって…

『ファミリー・コンポ』と私

僕の好きなマンガの一つに北条司さんの『ファミリー・コンポ』という作品があります。 ちょいとあらすじを紹介すると…… 主人公の大学生、雅彦(男)は、とある家に居候することになったんですが、その家族の夫婦は性別が逆転していて、雅彦はいろんなドタバ…

女の強かさ

妻の高校時代の友達が遊びにきて、ネイルについて熱く語ってくれたんだけれども、女子力情報に目がない私は耳をダンボにして聞いたんだけれども、女子は結局のところテンションを上げるためにネイルをするんだそうだ。 しかもその女がやるネイルは、一回一万…

社会に戻る前に

社会に戻る前に、その目的をあらためてここに書き記す。 いったん戻ってしまうと、なぜ戻ったのかを忘れてしまうことが往々にしてあるからだ。 私は優れた小説を書くために社会に戻る。 優れた小説とは、現実社会に新たな宇宙をこしらえるような小説だ。 そ…

Now, I am in Tokyo.

ハイパーメディアクリエイターだった妻の進学で、コンクリート・ジャングルTOKYOに引っ越してきて、もうすぐ一か月になります。 大人の事情で都心からずいぶん離れたアパートに越したので、全然コンジャン(コンクリート・ジャングル)感がありません。でも…

32年と6カ月生きてようやくわかったこと

32年と6カ月生きてようやくわかったことは、 僕が天才じゃなかったということです。 お恥ずかしい限りですが、32年と6カ月間、僕は自分のことを天才だと思っていました。 スラダン読んで流川になれると思ってバスケやったし、 東大に入れると思って受…

夢みる若者たちへ

『努力にまさる天才なし』 という言葉がありますが、それは真っ赤な嘘っぱちです。 みんなスタートラインは一緒、みんな一日は24時間とか言いますが、それも真っ赤な嘘です。 そんなことないよ! 人はみんな平等、夢は努力すれば必ず叶うよ! と、信じている…

すきなひと

僕には好きな人が二人いる。 村上春樹と宇多田ヒカルだ。 彼と一緒にサッカーをしたり、銭湯に行ったり、ナンパをしたことがないし、 彼女と一緒に映画をみたり、公園に行ったり、セックスをしたことがないから、 おそらく二人のことは、これからもずっと好…

世界をつなぎとめる言葉

週末、旧友に会うため、関西に行った。 一年ぶりの関西弁は、もう耳慣れない言葉に聞こえた。 日曜の朝、新快速列車に乗り込み帰路につくと、しばらくして車内アナウンスが流れた。 「お客様にお知らせいたします。○時○分、吹田駅ホーム内で人身事故があり、…

『ラ・ラ・ランド』 デイミアン・チャゼル

ミュージカルって最高なんです。 あたしゃミュージカルとチョコレートで育ったようなもんなんです。たぶん。 サウンド・オブ・ミュージック、ウエスト・サイド・ストーリー、RENT、ヘアースプレー…… ミュージカルのことを考え出したら、どれだけ死にたくなっ…

性別のことをなるべく真剣に

春めいてくると頭がポカポカして、熊みたいになるってよく言うけど、 ボクなんかは自分がメス熊なのかオス熊なのか、そこんとこが真剣に気になるわけ。 最近ニュースとかでLGBTってよく目にするようになったけど、たぶんサンドイッチのことじゃないよね。い…

『マチネの終わりに』 平野啓一郎

遅ればせながら、昨年、2016年のさるたこ文学賞は、 平野啓一郎さんの『マチネの終わりに』に決定いたしました。パチパチパチ。 この作品、男女の恋愛を主題にした物語のなかで、最高到達点にいっちゃったんじゃないでしょうか。(ちなみに僕が選ぶマチネ以…

イチ子の夜

今年の私のキーワードは『勇気』ということで、先日、人生初のおかまバーに潜入してきました。以下はそのお話。 店に入ると、背丈と肩幅からくらいしか男を感じさせない可愛い店員さんに、カウンター席を案内され、結構ガラガラなのに変なおじさんと変なおじ…

SEE YOU IN TOKYO

昨年の夏頃にハイパーメディアクリエイターの妻が、今度は「アパレルデザイナーになりたい!」って言い出して、ほうほう、こいつは相当なファンキーガールだなぁと思っていたら、コンクリートジャングルTOKYOの専門学校の入試を受けてきて、パスしやがって、…

2016年最悪の夜

12月のとある夜、久しぶりに大人を怒らせた。 知り合いに紹介された飲み会に、仕事の都合で30分ほど遅れて参加したら、知らない医者の人が参加していて、その医者は本を出したり、講演会とかやったりしている結構有名な医者らしく、その場には全部で7人くら…

表現すること

先日、友人の紹介でアートイベントの打ち上げに参加した。 とある村の大きなアートイベントで、現代アーティストを村に招待し、三か月ほど滞在させ、地域住民とのワークショップや作品制作、展示を行ってもらう、いわゆる地域おこし事業のイベントだった。 …

『ミナトホテルの裏庭には』 寺地はるな

寺地さんとの出会いは、以前私が応募した文学賞の……って、 私の寺地さんに対する、サウナ室のバスマット交換くらい一方的な片思いの物語は、彼女の前作『ビオレタ』のレビューのときに書いたので、興味のある方はそちらをご覧ください↓ 『ビオレタ』 寺地は…

『何者』 朝井リョウ

三浦大輔さんが監督した映画がとても素晴らしかったので、朝井リョウさんの原作小説もすぐに読みました。 「あなた、何者?」 おそらくだれもが避けて通りたい質問じゃないでしょうか? この質問から逃れるために、みんな天気予報を確認したり、美味しいもの…

村上春樹がノーベル文学賞をとる前に

もうすぐノーベル文学賞の発表です。 この時期になると何かと話題になる春樹さん。 本好きが集まって、どの作家が好きかって話になると、なぜか名前を挙げにくい春樹さん。 スウェーデンの会議室でもそんなふうに名前を挙げづらいのかしらん。 もし賞をとっ…

青山七恵から柴崎友香、からの宇多田ヒカル

青山七恵さんの『かけら』という小説を読んでいたら、僕だってちょっとした小説が書けるんじゃないかと勘違いしてしまった。 それは青山さんの小説が、ほんとうに何なら今週末にでも経験出来そうなほんとにほんとに平凡な日常のことを書いているからだ。 む…

『君の名は。』 新海誠

※ネタバレあり 映画でも、本でも、観たり読んだりする前にレビューを必ずチェックしちゃうつまらない僕なんだけど、『君の名は。』のレビューは本当にいろんな世代の人が書いていて、それを読むだけでも楽しかった。 実際に映画館で観た『君の名は。』には、…