人生30過ぎてからでしょう。

好きな本、映画、日々考えていること、気の向くままに書きます。

節分の話

もうすぐ節分である。

僕が敬愛する年間行事のひとつだ。

クリスマスとか正月とか、あんなもんは正味、オコタにはまりながら、右手にスマホ、左手にミカンのぐうたら人間でも、プレゼントとか現金がノーリスクで降ってくる、悪しき行事だとも言える。

しかし、節分は違う。

異界から鬼と呼ばれる化け物が襲来し、死にものぐるいで戦って、得るものは歳の数のマメのみである。

コスパばかり気にするヤングジェネレーションズにはこの行事の秘めたる価値が少しも理解できないであろう。

ノー体罰、ノー朝練、ノー兵役、ノーハラスメント。

モンスターピアレンツや怒れない上司がはびこるこの国では、

どこまででもぬくぬくと生きていける。あーオコタ最高。

2チャンネルやツイッターを使えば、隠れて好きなことが言える。ヘイトスピーチ上等。

はっきり言ってこの国は、もはや恐怖を想像する力を鍛えるオケージョンが皆無なのだ。

そこで、節分である。

 

昨日の夕方の地方ニュースでやっていた、とある小学校の節分行事はマジ最高だった。

体育館に隔離された児童たちに、突然、2体の鬼が無慈悲なまでに襲いかかる。

泣き叫びながら逃げ回る子。

友達や先生の陰に隠れる子。

全てが嫌になってその場で泣き崩れる子。

マメを握りしめるだけで投げられない子。

投げてもハトに餌をやるみたいに遠慮気味にちょろりと投げる子。

ダルビッシュみたいに投げる子。

マメとか持たずに、鬼に向かって飛び蹴りする子。

(僕はたぶん、握りしめるだけの子だったな)

そんな中、笑いながら児童たちにマメを装填する先生。

(あなたたちがいちばん薄気味悪いぜ)

本当の恐怖を前にして、人はやっと、己の特性を知りうるのである。

 

終了後、カメラを向けられた児童たちは、泣き止むことができなくて、何を言っているか分からない始末。

「マジやばかった」

「怖かった。死ぬかと思った」

飛び蹴りしていたガキ大将的な奴は泣きながら、

「全然怖くなかった。うぐ。うぐ。勝てると思った」(お前最高だぞバカ野郎!)

そんな中で、すまし顔の男子、

「面白かった。鬼はたぶん○○先生だと思う」(お前が鬼だこの野郎!)

 

最近ほんまに怖いと思ったことありますかい?

腹の底から震え上がるくらい怖いと思ったこと。

ずーっとむかし、街でいちばんの不良グループにからまれたときも、

ちょっとむかし、社内で女の子と遊び倒していて、上司に呼び出されたときも、

ここさいきん、ふしだらなサイトから多額な請求を受けたときも、

大抵はお金で解決できるし、最悪の場合でも命までは獲られなから、

まあまあビビったくらいだった。

 

でも、節分だけは、半端じゃない。

 

昨日の節分ニュースを見て、昨年のパリ同時多発テロを思い出したのは僕だけかしらん。