人生30過ぎてからでしょう。

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『虹色バス』 宇多田ヒカル

三度の飯より宇多田ヒカルちゃんが好きなんだけれども、『虹色バス』という曲は、盆と正月と誕生日がいっぺんに来たような曲である。

 

『WILD LIFE』というライブで彼女はこの曲を最後の曲にセッティングしていて、そのライブ後に活動を休止した彼女にとって、おそらくこの曲は、宇多田ヒカル第1章のラストメッセージじゃないのかしらと僕なんかは勝手に想像している。

 

この歌は、「Everybody feels same」と何度も繰り返しながら、みーんな同じこと感じてるんだよって歌う。

「雨に打たれて靴の中までびしょ濡れ」とか、「遠足前夜祭必ず寝不足」とか、前半はあるあるを並べて、あなたの嫌いなアイツだって同じことを感じているんだよって歌う。

 

しかしながら、後半は一転して、「誰もいない世界へ私を連れて行って」とヒカルちゃんは歌う。しかも演歌みたいに同じ歌詞を二回も。

 

これはいったいどういう風の吹きまわしかと考えるんだけれども、結局誰も私のことなんて分かってくれない、多様性なんて嘘八百だせ!というメッセージなのか、はたまたみんな同じことを感じている上で、誰もいない世界へ連れて行って欲しいと願っているという意味なのか、もしそうだとしたら、相当救い難い世界だなぁなんて僕なんかは思ったりするんだけれども、ヒカルちゃんの真意はどうなんだろう。

 

その後、8年間のお休みを経てカムバックした彼女は、『ファントーム』を世に出した。

一曲目の『道』では、「どんなことをして誰といても心はあなたと共にある」と歌う。

 

誰もいない世界ってどんな世界なんだろうか。

自分のことを知っている人が一人もいない世界じゃなくて、本当に誰もいない世界。

その世界にはどんな感情があり、どんな音楽があり、どんな言葉があるのだろうか。

この世界で、その世界に一番近い存在は多分ヒカルちゃんだと思うから、僕は彼女の新曲が出たりなんかするとウシシシシって思うのだ。