女装子歌劇団
年明け一発目のブログで女装子歌劇団のことを書けるなんて今年はいい年になりそうです。
女装子歌劇団は『女の子クラブ』を運営する、くりこさんが立ち上げた30名の女装子からなるミュージカル劇団です。
歌劇団と聞くと、宝塚歌劇団を連想する方が多いかもしれませんが、僕みたいにいろいろと一回やり直した方がいい人間が聞くと、セガサターンの名作『サクラ大戦』の帝国歌劇団を思い出します。
中学生の時に『サクラ大戦』をプレイしながら、僕もいつか可愛い格好をして、人前で歌ったり踊ったりしてみたいなぁとか妄想していたんですが、女装子歌劇団の舞台を観ながら、あぁ僕のやりたかったことをまた先にやられてしまったなぁと思いました。
舞台に立っていた女装子の皆さんは、ほとんどがミュージカル未経験の方ばかりだそうで、それでも歌も踊りも演技もなかなかのものだったと思います。相当練習したんだろうと思います。物語も、テレビでよく見かけるオカマとかオネエの笑いを使えばもっと簡単にエンタメ作品を作れると思いますが、そういう笑いはほとんどなくて、真剣に死生観をテーマにした内容でした。
劇中歌のほとんどをメインで歌っていた、なおさんは本当に美しくてキュンとしちゃいました。素敵だったなぁ。クライマックスの独白のシーンでは、性別を超えた、腹がすわった人間だけが放つ美しさを感じました。こういう人になりたいと思える人に出会えて幸せでした。
それでも、彼女たちが本気でエンタメの世界で天下をとるつもりならまだまだ壁を乗り越えなきゃいけないんだろうなとも思いました。
日本の社会は本当に息が詰まるし、多様性なんて欧米に比べたら皆無同然だろうけど、とりわけエンタメの世界は、元から圧倒的に自由であるべきで、トランスジェンダーとか性同一性障害とかそういったタームは、逆に作り手と受け手の想像力を押し込めてしまう可能性もあるように感じます。
女装子さんたちしか見えない景色を、女装子という枠を超えて表現できたら、いろんなもんをぶっ飛ばすような作品ができるんじゃないかなぁとか考えました。
とかとか勝手に調子に乗っていろいろ書きましたが、要は女装子の皆さんに嫉妬しているだけなんです。
だってめちゃくちゃキラキラしていて、可愛かったんだもの。