正社員からアルバイトに昇格しました

 

成功することや夢をかなえることが、人類共通のいきがいではないということをちゃんと知ったのはここ5年ほどのことです。

 

僕は昔から「海賊王に俺はなる」みたいなことが最強の美徳だと思っていて、夢や好奇心がない人にはあまり興味がありませんでした。

高校生のとき、仲間内で進路の話になったときも、公務員になりたいと言い出した友達がとてもつまらなく思えて、彼が『モンキーターン』を愛読していたので競艇選手に挑戦すべきだと何度も諭し、目指さないのであれば仲間から抜けてもらうと強要した記憶もあります。(現在彼は立派な公務員で二児の父親。私はアルバイト)

 

しかし、社会に出てみると、人のいきがいはそれぞれであり、何よりも家族を大切にする人、とにかく旨い飯を食いたい人、旅行に行くことばかり考えている人、異性にモテたくて仕方がない人、口を開くと他人の悪口な人、自分や他人を傷つけたがる人、まぁ本当にいろんな人がいて、「海賊王に俺はなる」的なことを言う人はあまりいなくて、とりわけ年を重ねると、海賊でもなくて、ましてや日焼けもしていない奴が、「海賊王に俺はなる」とか言うとかなり疎まれることも分かりました。

 

それでも僕は、成功や夢でなくても、自分のやりたいことを生業にしている人というのがやっぱり一番素敵だなぁと何年経っても思うのです。

例えば初対面の挨拶、または警察からの職務質問でもいいですが、僕は「江戸川コナン、探偵さ」みたいに胸を張って自己紹介ができる人間になりたいのです。

 

東京には本当にたくさんの人がいて、みんなそれぞれ違うようにみえるんですが、結局考えていること一緒で「なんか面白いことねぇかな」であり、面白いことをするためには、そりゃリスクやコストがかかるんですが、そのために正社員からアルバイトになるんなら、そりゃ昇格なんですよ。