本音

 

宇多田ヒカル様のライブの日まで

とにかくクソみたいな一日を繰り返す

 

その一日が惜しい奴と

チラシみたいに一日を捨てる奴

どっちが贅沢で幸せか

 

担任だった物理の教師の話を思い出す

朝起きて学校に行くとか会社に行くとか

それこそが物理だって

何で自分の足がそこに向くのか

考えるのが物理だって

 

たぶん詰まる所は金とセックスのためだろう

 

お洒落して美味しいもの食べてセックスする

それに尽きる

東京では質の高いそれができる

だからみんな東京に集まる

 

満員電車の中に並んでるいろんな顔

みんながみんな

いいねって言われる人生が欲しいと書いてある

とことんクソったれどもの集まり

もちろん僕もその中心で同じ顔をしている

 

とりあえず朝になれば

結婚とか出産とか保険とか年金とか住居とか年収とか昇進とか介護とか

とにかくややこしいことを

なんならすっかり忘れさせてくれるような

美味しいご飯、素敵な異性、激しいセックス

そんなクソみたいなことを期待しながら

酒が抜けきっていない頭で

満員電車に乗って嫌々会社に向かう

それ以上でもそれ以下でもない

 

って書いてはみたものの

本当は全くそんなことは全然考えていなくて

ただひたすらに

宇多田ヒカル様のライブの日まで

やってくる一日一日を

ひらひらと捨てる

ライブの後のことは考えないように

マニュアル通りに機械的

ひらひらと捨てるのみである