『ボヘミアンラプソディ』

話題の『ボヘミアンラプソディ』を観てきました。

吉祥寺の映画館で鑑賞しましたが、ファーストデイだったこともあり、会場は満席。

応援上映の回でもないのに、映画が終わると会場から自然と拍手が起こりました。

これは初めての経験で、ぐっときました。

クイーンのことは全然知らなくて、楽曲もCMやドラマの主題歌でいくつか聴いたことある程度で、リードボーカルのフレディマーキュリーのこともセクシャルマイノリティだったことくらいしか知りませんでした。

そんな僕でも開始30分くらいで涙が出始め、後半は嗚咽を漏らさないようこらえるのに必死でした。

何故こんなに感動したんでしょうか。

それはフレディが抱き続けていた葛藤、たぶんフレディは自分の好きな格好をして、とにかく周りの人を楽しませたい、それだけを望んでいるのに、自分の気持ち、これがその人のソウルとかロックなんだと思うんですが、それが自分の身体、さらにその周りの社会と全然噛み合わない。それに対する怒りや悲しみを、歌や音楽でぶち壊そうと、激しく、美しく、声を張り上げるその姿が、ライブ会場や映画館に来ている一人一人が持っている大なり小なりのソウルやロックに響いて、重なって、ひとつになって、その大きな波みたいなものが、クイーンの音楽に合わせて、ぐわんぐわんしたから、みんな涙を流したんだと思います。

最後の20分くらいはみんながフレディで、みんながクイーンで、空高くびゅーんと飛んでいく心地がしました。

ライブの時だけは、フレディも、辛いことも悲しいことも全部忘れて、とびっきり美しい自分にぴったりと収まっていられたのかもしれません。